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こんにちは、イラストレーター・漫画家の三森みさです。
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突然思い立って作ってみたニュースレターですが、意外にもご登録してくださる方がいて嬉しいです♪
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皆さんにうっとおしくならない頻度で、今後もお送りしたいと思います。
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『母のお酒をやめさせたい』書籍版、こっそりと予約開始してます!!!
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「子どものあたしたちには…毎日祈っても、もがいても、どう頑張っても、
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やっぱり親の問題はどうすることもできなかった―…」
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『母のお酒をやめさせたい』の、書籍化が決定しました。そして、ひっそりと予約ページができてました!なのでひっそりとこちらでご報告。
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「母のお酒をやめさせたい」は、厚生労働省 依存症対策推進室の2020年度の啓発事業の一つとして制作しました。
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依存症の症状を盛り込みつつ、治療先・家族の対応の仕方・回復まで詰め込んだ、涙なしに読めないエモーショナルな学習漫画です。
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今回は商業なので厚労省監修は外れていますが、依存症啓発の前線にいらっしゃる方々6名の監修付きという豪華仕様は前回と変わらず。
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前作「だらしない夫じゃなくて依存症でした」は、大人・一般向けでしたが、今回は子どもが主人公。
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親が依存症の子どもたちと、依存症にかかる子どもの、オムニバス形式の作品です。
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あなたの心の中にいる「傷ついた子ども」を知るヒントにもなるはず☆
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アルコール・薬物・ギャンブルに加えて、みんな気になるゲーム障害も収録。
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ゲーム依存気味の子どもへの声かけの仕方は、お子さんがいらっしゃる家庭は必読です。
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※特にゲームに関しては男の子!女の子よりもはるかにゲーム依存に罹りやすいです。
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女の子の場合は、ネット依存(LINEやSNS)の傾向が高いと言われてます。
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ぜひ家庭に一冊、困った時の手引き書としてお使いください。
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20pの追加話、7pあとがき、その他大量の加筆修正+おまけを追加しつつの、
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↑追加のお話。もう一人のアルコール依存症の被害者、それは…
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↑加筆修正Ver。修正しすぎて4コマの概念が消えました。
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今回は1色刷りのうち、32Pはカラー。電子はオールカラー。
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2022年12月22日発売です!ぜひご予約くださいませ!発売日と同時に電子版も出る予定です。(戦争やその他諸々の影響で紙代が値上がりしてしまいましたが…涙)
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ちなみにKADOKAWAさんで出版です。 「よろしくお願いします」の後に、オリンピックでの某不祥事の発表が…。 「ピュアな啓発漫画をこの会社で売って大丈夫か…?」と心配になりましたが、担当編集者の方に「僕たちのボーナスは削られるかもしれませんけど、漫画の売上は影響出ないと思われるので、大丈夫ですよ。」と謎の励まし(???)をいただきました。
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気にしてるのはそこじゃないし、何も大丈夫じゃないんだけど、編集者としていい人だったので、よしとしましょう。
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本の出版について、ちょっと小話。
母やめは連載終了後、書籍化に向けてコツコツ作画修正して、本当はもっと早くに出す予定でした。
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ところが途中で虐待や諸々の後遺症が悪化して、また闘病and治療に専念するハメに…。
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「もう親元出て10年経ってるんだから勘弁してくれよ!!」と心の中で叫びながら、しかしもうこの歳になってくると「人生そんなものか…」と諦めもついてきながら、2年近くの出版作業がようやく終わろうとしてます。
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子ども視点の依存症啓発漫画を描くことが決まり、制作のために取材をした結果、「子どもに対する支援はまだまだ足りてない。むしろ探す方が難しいんだワ。」というのが感想になったあの絶望感を今でも忘れません。
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取材先で、ことごとく「子どもは診ない」「依存症で悩んでる子どもは聞いたことない」と言われるのは、なかなか衝撃的な体験でした。(※あくまで私が取材した範囲)
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一方で、調べた資料の中には、アメリカには依存症治療だけではなく、依存症家庭で育った子どものケアにも対応できる施設もあるとのこと。
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心理療法はもちろん、親が病気で学べなくなってしまう「生きるために必要なスキル」を、親が依存症の子どもたちに教えるプログラムがあるそうです。(ちなみに、描き下ろしのあとがきにこの話は描いてます。)
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アメリカでもこのプログラムを受けられるのはごく一部とはいえ、「存在してる」のは大きいでしょう。依存症界隈で「日本はアメリカに比べて依存症治療が30年遅れてる」と言われてるのはこういうことかと愕然としました。
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本当はプロが介入して、大人も子ども治療やケアやプログラムを受けて、家族関係を修復していく漫画にしたかったのです。
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しかし悲しいかな、日本でこの話をするにはまだ早かったようで、結局、啓発の初歩の初歩である、「こんなに苦しんでる人がいるんだよ」から始めなくてはならない現実でした。だって「ない」ものは公共の漫画で描けないんだもの。
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すでにこのメールを受け取られてる方はご存じかと思いますが、ワタクシ、17歳の時に親子関係の問題を知り、親元を脱出を計りました。今ここで家を出ないと、私は狂って死んでしまうと思ってたので。
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けれど出て行った後も、虐待の後遺症で(複数の精神疾患)に苦しみ続け、かれこれ12・3年ほど治療に励む生活を強いられてるのは紛れもない事実です。
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漫画にはやたらポジティブなコメント描いてますけど、ま〜〜〜〜差は大きよね!
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なんとか落ち着きが見えてきた頃のは28・29歳ごろ。若くて健康な20代をほぼ闘病に費やしてしまいました。
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漫画の主人公たちは中学生だったので描ききれませんでしたが、親子関係の問題は成人後もずっと続きます。
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親子関係の問題がわかるまでも時間がかるし、その間に色んな問題を抱えて(代表:依存症)さらに事は重くなっていくし、治療にもそれなりの時間を要するし、その治療もまあまあ辛いこともあって大変です。怖くて踏み出せない人も少なくありません。
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そんな中、依存症などの合併症を患ってると、別で治療をする必要があるため、さらに時間がかかるおまけ付き。なんだこの人生?苦痛のサンドイッチか?
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「虐待を受けた人間は一生そのままだ」と、私が20歳ぐらいの時にYahoo!知恵袋で見かけました。しかし、今こうして私が治療に取り組んでるように、治療法はちゃんとあるのです。主治医曰く、ここ10年でぐっと治療法の開発が進んだのだとか。精神医学最高!!
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そしてアメリカで行われてる上記の依存症治療+子どものケアとプログラムがあるのですから、30年以内には日本にも導入してもらえることでしょう。
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私は親元を離れて、おそらく離れなかったら受けなかったであろう痛み…
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例えば生活保護以下の収入で生きることになったりとか、わけわかんない男に引っかかった挙句、何年も時間を使ってしまったとか、親元にいれば経験することはなかったと思います。
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それでも私の場合、一緒にい続けることを選んでたら、ここまで生き延びること、あるいは精神を安定させることも叶わなかっただろうなと、ぼんやり思います。
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だから親元を離れたこと自体、後悔してません。後悔してるのは、長い間、支援や治療に繋がらなかったことです。
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結局、生活保護を受けなかったのは、そもそも自分が受けていいことも知らなかったし、訳わからない男に引っかかり続けたのは、ただひたすら自分の居場所がなくて孤独だったからに過ぎません。親に住民票を握られてたので精神科に行けなかったのもありますが(笑)
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何にせよ、自分の居場所があれば不健康な依存にそこまで没頭せずに済んだだろうし、必要以上に拗らせもしなかっただろうと思います。
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そんな私でも、界隈では「問題の数に対して解決するスピードが(これでも)早いね」と言われるのは、やはり17歳にて親子関係の問題を知ったのが、かなりのアドバンテージだったのでしょう。
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そんな経験から、親子の問題にしろ、病気にしろ、苦しみの時間を短縮するには「知る」「それもできるだけ早く」が大切なんだと、強く思う今日この頃です。
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当事者はもちろんのこと、虐待や病気と関係のない人が「知る」でもいいのです。
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子どもの痛みや、問題、支援の必要性が広まれば、社会支援も自然と増えていきます。
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偏見や誤解が減っていくと、病気を病気だと認めやすく、治療へのアクセスも良くなりますし、治療も継続しやすくなります。
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結果として、わけわからん病気で苦しむ人、その病気の人にわけわからんまま振り回される人も減る!被害者も加害者も減って、みんなwin-win!!
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多くの人が「知る」ことで、苦しむ人たちが支援や治療に繋がり、それらは巡り巡って、社会に必ず還元されていくことでしょう。
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そんな感じで、次世代には私の生きた30年よりもマシな社会で30年過ごしてほしい。
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「親ガチャはミスってたけど、国の支援ガチャはSSRだったわwww」って、誰もが言える社会に早くなってほしい。それが、石油王と結婚することよりも大事な私の願いです。
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気持ちもページも分厚い本になりましたが、手にとっていただけますと泣いて喜びます。
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